ええわ文化でDIY 『人事尽くして天命を待つ』というお話

先日開催した壁塗りのイベントの準備にバタついた。

私事なんだけど最近バイクでコケた。お陰で膝が痛くて足が思うように動かない。実はリフォームしている部屋は自分の部屋じゃなかったりするので確認の為に大家さんと打ち合わせが必要で、ちゃんと出来たのが11月入ってからでその時に今回は壁に珪藻土(けいそうど)を塗るという事に決まった。

「そもそも珪藻土って何?」という所から始まり、動画やネットでやり方を調べたり、やった事ある人を探したりホームセンターでしつこく聞き漁った。階段上がるのもおっくうだったので寸法を測るために久しぶりに二階に上がってみると壁にデカい穴が空いている事に気がついて、やっぱり自分で調べて、人に聞いて回った。

調べていると壁塗りはどれも塗る前の前段階が大事らしくて当日前日までに必要備品だったり、マスキングやら壁の下塗りだったりで、なにぶんどれもやった事ないことばっかりだったので、課題を一つ片づけると新たな問題が発生する。下塗りやパテは乾燥するのに時間がかかるので当日までのスケジュールはかなりタイトだった。

結局準備は前日までもつれ込んだのが、壁の下塗り(二回目)と壁のパテ塗り。壁塗りをするためには下壁はなるべく平にしないといけないのだが、壁の補修が思うようにいかずにひび割れしたり、壁とパテとの継ぎ目部分がささくれだったりして、何度も補修しているうちに壁がデコボコになる。更にそれをヤスリをかけて平に仕上げ、それから壁の下塗りに入る。

 当日はカレーも出すつもりだったので本当はカレーに力入れたかったんだが、何度も作っているので流れの想像はつく。失敗するかもしれないが、失敗の範囲まで想像がつくので、未経験の事よりかは遥かに気が楽。本末転倒だが、準備の大半は壁の補修に費やされた。

前日に頼りにしていた壁塗りを経験していた方から当日不参加の連絡が入る。その時にはカレーも壁の壁の下塗りも佳境に入った頃だったのでグダグダになりそうな事が決定的になったのだが、何故か悲観的にはならず、

「まぁ自分に出来る事は全部やったから何とかなるでしょ」

タイトなスケジュールの中一つずつタスクを処理し前日の時点で、既にやり切った感があったのだ。

当日。毎度の事ながらスタート開始時にはあんまり人が集まらないのでダラダラ始めていると、メールが入り飛び込みの参加者が家の前に立っていた。

誰かの知り合いかな?と思ったがそうでもでもなく、

ペンキ屋で働いているという若い女の子で(仮にAさん)

「コテあんまり使う機会が無いんで練習に」

という理由で参加された。

 てっきりグダグダになると思っていたので当日の段取りは悪く参加者の待ち時間が増え、開始から1時間近く過ぎてからようやく壁塗りが始まり、コテを使うのは未経験者には思いの他難しく、壁の凹凸の悪影響もあり、薄くムラなく仕上げるのは困難だった。

 そんな中Aさんの動きが全く違った。「ちゃんとやった事ない」と言いつつも何度か練習はした事あるらしくい素人とは明らかに動きが違い、コテを返したり、珪藻土をコテ受けに切る動きもいちいち垢抜けており、例えばカウンター越しに手際のいい手捌きを披露する寿司職人のような流れるような動作は職人のそれだった。(ホメすぎかも)になった。

ちょうど探していたパズルのピースがひらひらと空から降ってくるような偶然で、結果的には自分の知り合いの中では誰よりも壁塗りのうまい人が参加されグダグダにならずに済んだ。(なっても全然OKだったんだけど)

40年近く人間やってると時々こういう有難い偶然が起こる。

どうも経験的に共通したポイントは

・ほとんど自分に見返りやメリットがない、もしくはかける労力が大きく極端に費用対効果が悪い

・端から見ている人には「あいつ何であんな頑張ってんの?」と周りの人には理解不能

・嘘偽りなく、「できる事は全部やったぞ」という心理状態

・だいたい目的そのものはどうでもよくなっている

こんな感じの条件が揃った時にゆるーい奇跡が起きる。

 どれくらいゆるいかというと、自分にしかそのアンテナがキャッチできないくらいゆるい。

 Aさんも「練習になってよかった」と言ってくれたし何より終日和やかなだった。

自分の苦労も吹き飛ぶというものだ。

結果オーライである。

気になることはやってみる(アカンかったらその時考える)

思いついたりやってみた事をつらつらと書き綴ります。

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