徳島まで床張りのワークショップに参加してきた。
団体を『全国床張り協会』という。
団体名だけでも既におもしろいが、リフォームを始めた頃にO田さんに教えられたキャッチコピーもうひとつ揺さぶられる。
『人間には二種類の人間がいる。
床を張れる人間とそうでない人間だ』
みたいな事を教えられた。こーゆーノリは好きだ。
ええわ文化の二階のリフォームも今後どうしていくか。
一番いいのは住む人を先に見つけてこれから住む部屋を一緒にデザインしながらリフォームしていくというのが面白いと思うのだが(入居者募集中連絡お待ちしてまーす)なかなかそうはいかない。
洋室でいくか和室でいくか。床張りが自分達だけで可能かどうかの可能性も考え今回の参加と至った。
待ち合わせの道の駅で待っていると声をかけられた。
てっきり主催しているのは地元の偏屈な大工さんかなにかと思っていたのだが、迎えてくれたのは石川さんという若い夫婦だった。
目的の古民家は筑100年以上経っている立派な建物だった。地へ着くと早速作業に取り掛かる。全国床貼り協会の目的はある程度家を作るという作業を自分でできるようになるとい所にある。
徳島支部の石川さんは今回のワークショップの目的を
・構造を知る
・道具を知る
・張れる気になる
という所においていて、まずは家の構造の説明から始まった。
自分がそうだったんだけど、家をリフォームすると聞くと、本当にどこからどう手をつけていいのかわからない。
壁に穴をあけていいのか、畳の下をめくってみたいのだが、本当に素人が手を出していい所なのかなど。
さらにその後どうすればわからない。全くの素人にはここからあれこれ考えなければいけないので時間がかかる。
まず説明されたのは家はどのように建っているのかという話だった。床板をはがすと
まずは束石(つかいし)という大きな石が見えてきた。ここに大きな柱が立っていてそこを枠で囲むように柱は本当に石の上に乗っかっているだけの単純な構造。それでいてちっとやそっとでは
ビクともしない頑丈な構造になっており、シンプルで無駄のないその構造に感心した。
その上に根太(ねだ)という渡して床板を張っていく。わかりやすい説明だった。
なんでもこの構造は床下の基礎部分だけでなくて壁面はもちろんテーブルや棚などの家具や、て基本的な構造となるそうだ。
こういう根幹の説明を聞いていると例えば家に白アリが出た時もただオロオロするだけでなくどこがやられているのか、どれくらい重症なのかなどが、自分である程度は把握できる。
それから道具の説明になった。
基本的に学生時代の技術の授業以来工具なんてホームセンターでしか見ることもなく、
一通りそろえようとするとある程度の費用がかかる。必要になった時に必要なサイズのドライバーを買ったみたいな経験をする人もいるんじゃないだろうか。
実践は後でするにしても普段使わないジグソーやノミなどの説明をしてくれるのは有難かった。
作業に入るとまずは根太(ねだ)とよばれる、床板を敷く際にその支えになる柱を切っていく。コスト的には杉材がリーズナブルでしっかりしていていいらしい。いざ実際やるとなるとホームセンターで木の材質なんかでもあれこれ迷わなくてはいけないところだったのでこれは助かる。
まず、6畳の部屋を下に敷いてある板を交差するように根太を等間隔に並べていく。
まず最初の作業だったので、切り出す柱の長さを慎重に切ろうとしていると、
そこまで神経質にならなくてもいいそうだ。肝心なのは上に貼っていく床板になり、ここは人目につかないので数ミリ単位の誤差ならOK
根太を部屋に並べながら、ビス止めをしていく。これも大体でいい。両サイドから根太を埋めて行き、中心付近になると等間隔にならなくても多めに根太を通しておく。これは垂直に並べる床板を留めれるようにするためのもの。
作業にだいたい2時間程度。次に床板を打ち込んでいく。この作業が大変だった。作業に慣れてくると木材をカットしたり、床板を釘で打ち込んだりする作業は慣れてくる。
それよりもっと大事なのが、長さの計測をする時で、まずメジャーで長さを測る。その際にメジャーにわずかなズレが生じる可能性がある。高さが異なったり段差があればどうしても目測で印を入れないといけない状況も出る。
さらに鉛筆でしるしをつけるのだが、印をつけた線状を切っていくのか、線の内側に沿わせて切っていくのか外に合わせるのかでも長さが微妙に異なる。
そして最後にどうしても床板の縦の長さがぴったり揃う事はほぼ無いので床板を縦に切る必要が出てくる。
床板を並べ揃えてもどうしても上辺と下辺の長さに誤差が出てくるので切る木材の上辺と底辺にそれぞれ印をつける。
縦に切る際は丸ノコかジグソーでやる必要があるのだが、まっすぐ切るが大変。
簡単に書くとこんな工程になるが、部屋に柱やゆがみなどによる出っ張りがあるとさらに作業は大変になる。
完成。
一通り自分でやってみての感想は
「めっちゃいい機材揃ってたら自分でもできそうだな」
というものだった。プレ感覚で体験してみると1から10まで不安を感じずに、出来そうな所と難しそうな所も切り分けできる、これも貴重な体験だった。
石川さんは
「大丈夫ですよ、できますよ」
と言われたが、自分たちでできるかな。
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