売買に慣れるために新刊を買ってすぐに売った。(少し前の話)
今回はこの本。
平積みにされているような本ならきっとすぐに売れるに違いない。
二冊買まとめて買おうと思いレジに行こうとしたが待てよ、と思いメルカリで探してみるとやっぱりあった。おそらくファンの層がかぶるのだろうが二冊まとめて出品していて2100円。
刊行されて数ヶ月経ったものだったが、新刊と比べても数百円しか値段が落ちていなかった。こっちの方が面白そうだと思いレジで並ぶのをやめ、メルカリで買ってみた。普通に考えると、 本屋に行く労力だったりネットで買うと物が届くまでの送料がつきまとうが、基本的にメルカリでのやりとり、特に本のやりとりでは、送料は出品者の負担になっている。
値引きの交渉をして送料込みで二冊2000円。
本は2,3日で届き、読みやすかったので、2日で読んだ。二日目の夜に2300円で出品。
「1700円ならすぐに買います」みたいなメッセージが来たが無視した。それでも数時間のうちに売れたので読み終わった翌朝には発送した。
販売価格は2300円
手数料 230円(売り上げの10%)
配送料 175円(ゆうゆうメルカリ便)
販売利益1895円
今回は105円で話題の新刊を2冊読めた計算になる。
見えてきたのは「やっぱりプラットフォームは強ぇーな」という事だ。
テラ銭というヤツである。
FXとかでも取引する度に律儀に取っていく手数料。JRAなんかも一万円を勝馬投票権に変えた瞬間にその紙の価値は7500円に下がり、三河屋のサブちゃんよろしく「あいよっ、毎度ありぃ~」と参加者から参加費やら手数料を残酷にもむしり取っていく。(メルカリは便利なので好きです)
もちろん当てればいいのだが、勝とうが負けようが胴元には確実にお金が入るシステム。
メルカリでも精通した人や、やりようによってはきっと安く仕入れて高く売って利ざやで小銭を稼ぐことも可能なのかもしれないが、配送業者に対して発生する配送料は仕方ないとしても、メルカリが手数料として取る「売り上げの10%」は結構ハードルが高い。
ノウハウを知らない身にはメルカリで小銭を稼ごうと思うと、常にメルカリの画面に張り付いて安く仕入れる労力を考えるとデイトレーダーと変わりなく、費やした時間に対してのリターンを見込めるようになるまでものすごい時間がかかると思う。やっぱりいらなくなったものを出品する程度、気軽にやって「え、捨てるつもりやったのに売れてる!」みたいな感覚で楽しむのがちょうどいいと思う。
本の売り買いの場合、早ければ早い程価値が落ちないのですぐに読んだ。この感覚、どこかで経験したことがある。
あ、TUTAYAのレンタルだ。
これは衝撃で、一泊二日で新作を借り、家でDVD見るなり、CDをダビングしてすぐ返しに行く感覚。(現に今回二泊三日で売った)「『売る』取引きに慣れよう」みたいに思っていた自分には驚愕だった。
もちろんすべての若い人とは言わないし自分の周りにもきっと上手にメルカリを使う人がいるのだろうが若い人はTSUTAYAのレンタル感覚で物を売り買いするのか。
レンタルビデオが出始めた時代はビデオの一本の単価が高かった。それを会員でシェアする形でレンタルしていたのだが、安いという理由以外にも、おそらくはきっと、所有したくないのではないかと思う。
物のない時代から物が溢れかえる時代になった。モノの値段が下がって価値が下がった。さらにその先には価値の下がった物を捨てるのではなくて、自由に使い回してしまうのか。物を媒介して体験してしまえば次に流す、そんなイメージ。
そう考えると「今の若い人は車を欲しがらない」なんて言うのはナンセンスで、「経済回す為にどんどん消費してゴミを出せ」と暗に言われるよりか「体験してしまったら次に回す」という感覚の方がよっぽど健全な気がする。
メディアでは相も変わらずゆとりださとりだの若い人を揶揄して笑っているが、間違いなく自分よりかは優れている。
図書館で働いている友達から聞いた話だが、話題の新刊なんかは新刊をタダで読むために待ち人数が50人とかに達する事があるらしい。それをあざ笑うかのように、こうしたアプリを使ったら数百円の手数料でさっさと読み終えてしまうのだ。
根本的に自分なんかとは次元が違う。こりゃもうかなわん。
子供の頃から新しいゲーム機だったり、学生時代はポケベルーPHS-携帯と平気でキャッチアップしていった様子を親や親戚はまるで宇宙人を観るような眼をされたものだがあの感じ。
別に悲観的になっている訳でもなく、最近は素直にすごい事はすごいと思う。
売る側と買う側の立場は本来対等でお互い合意の上での等価交換のはずなのだが、「モンスター」とかいう言葉に代表されるようにいつの間にか消費者、特に「お金を出す人が圧倒的に偉い」という構図になってしまっている気がする。
前回の日記で「売る」という行為に慣れていないと書いたが、日常的に「売る」行為に慣れていれば、売る側の心理や大変さ少しでもわかるのでファーストフード店でたまーに見かける、おもちゃを買ってくれない子供のようにわめきちらす初老のじいさんみたいなものの言い方する人は減るのではないだろうか。(もちろんそうなる頃には何か全く別の問題発生してそうだけど)
いつまでも「お客様は神様」とか「お金を出す方が絶対的に偉い」みたいな傲慢な姿勢でいると、いつか誰からも相手されなくなる事に直感的にわかっているんだろうな。
所有よりも体験。
本に関して言えば著作権がどうと勢いあった頃ブックオフが叩かれたりしたものだが、今回読んだ西野の『新世界』では著者がネットで無料公開してたりする。
CDが売れなくなったと嘆く一方でライブは人気が出ているという話も今回のメルカリも、車が売れないのも何かスッと腑に落ちた。
「今どきの若いモンは…」なんて恐ろしくて言えん。なんか本当にすげぇ時代になってきたな。
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