ええわ文化でBBQ

 昼過ぎに知り合いの市橋さんから電話がかかってきた。

「ちべさーん、今から行って家の前でバーベキューしてもいいっすかー?」

「今日3時までしか家いれないんで、別の日にしません?」

「軽ーくなんで、3時まででもいいですよ」

「んじゃあ」

…という訳で急遽家の前でバーベキューをする事になった。


 週末にカレーを出すのでその為の仕込みをしている最中だったので鍋から離れる事が出来ず、出来れば別日がよかったのだけれど、電話の感じでは来る気満々になっている様子で、断るのも無粋というものなので了承した。

 一時間もしないうちに家のインターフォンが鳴った。携帯が普及してからは配達やNHK以外で家のインターフォンが鳴る事も少ない。知り合いの家の前についたとしても、メールや電話で一報を入れるものだが、市橋さんはよくこういう事をする。

 一緒に中学生くらいの子が一緒にいた。中学一年生の不登校の子(A君)で、市橋さんが豊中で児童発達支援とか、放課後デイとか運営されているので、その関係かなと思った。

 仕事の一環でそうしているのかと思ったのだけれどそうではなく、バーベキューは今日思いついて、空いた時間にで君を連れまわしていた。バーベキューするだけなら近くの緑地公園でもできるのだけれど、こっちの方が面白かろうという事で、急遽電話がかかってきた訳だ。

 市橋さんも学生の頃不登校になった時期があったそうで、その時に周りにいた大人が「学校行きなさい!」というタイプの大人達ばかりでなかった事が自身にとっていい影響を与えたようで、今は逆の立場になって同じようにされているそうだ。関係性が難しい気はするが、基本的に市橋さんが行きたい所や、やりたい事に付き合わせる感じなので、『先生と生徒』というよりかは『先輩と後輩』という関係に見えた。


 バーベキューとはいっても本当に簡易なもので、七輪でホームセンターで必要な炭などを買って、材料はスーパーでそろえただけ。自分の家の外ちょうど所がバーベキューができそうな踊り場のようなスペースがあるのだった。緑地や川沿いと違い、思いっきり生活空間なのでロケーションは悪い。ただ、水場やキッチン、トイレはすぐそばなので何かと便利ではあった。


 

 中学生と接する機会もなかったので、どうしたものかと思っていたが、少し話してみると、言葉遣いが意外な程丁寧だったのが印象的だった。実はA君、先日行ったDIYのイベントの時に来るかもとの事だった。結局来なかったが、当日人が多く、しんどいかもしれないので最初はこんな感じがいいのかもしれない。

  何を話せばいいのかもよくわからないので、秘密基地を見せびらかすガキ大将の気分で先日DIYした部屋やスパイスラックを自慢げに紹介するのだった。


 ウチの前の道は路肩の狭い車の通の裏にある生活路として使われており、人通りが結構多い。ド平日昼間っからバーベキューを始めるので目立った。

 ほぼ間違いなく通りがかる人がこっちの方を見てくるのでA君が

 「みんなこっち見てますよ」

と少し心配気に言うのだが、市橋さんも自分もあまりその辺りには関心がない。

 ド平日にこんな事してたら見るやろなーと思った程度なのだったりする。しかしよく考えたら自分も中学生の頃、マクドナルドで注文するだけでも緊張した頃があったのを思い出したりした。


 バーベキューが一段落した頃に、ママチャリに跨ったヒマそうなオッサンが声をかけてきた。ちょうど自分は片づけを始めた頃で席を外していて、どうやら市橋さんを親子と勘違いしていたようだった。

 オッサンはすべてを肯定する仏のような優しいダミ声でこう言うのだった。

 「君ら、いい事しとる!」


 少し前には近くにある、製作所の工場見学に行ったらしい。夫婦共に面白い人なのできっと楽しかったに違いない。自分の学生時代を顧みると周りの大人なんて、親と先生ぐらいしかいなかった。学校を行かないという根性もなかったが、もし当時の自分が平日に少しクセのある大人と接する機会があったのなら、

 「ヤバイ、これは学校なんか行ってる場合じゃないぞ!」

となっていたかもしれないなー。

あ、でも学校行かないって発想も持てなかったな笑


気になることはやってみる(アカンかったらその時考える)

思いついたりやってみた事をつらつらと書き綴ります。

0コメント

  • 1000 / 1000