その名はキッサニア2


 

 前回の続き。

イベント当日。

 一通り設備の整った室内でカレーを出すので準備が驚く程楽だった。

 今回のキッサニア案は、カレーを出すタイミングで子どもにお手伝いをしてもらい、お手伝いのお礼に『えんにち券』を配布、喫茶店の外で遊べるような仕組みになった。


 イベント自体は9時から4時までやっているが、自分の出番は12~13時の間、去年は1日中カウンターの中に入って注文を取っていたが、今回は出店者やイベントがいくつか続いておりごちゃごちゃするので、食事の時間を決めて一時間の間に食事を終える。

 準備とはいっても前日に仕込みは済ませており、ナベに火をかけるだけの状態にしており、去年も一度出しているので気が楽だった。

 

 子育なんてした事ないので、実は子供の接し方は苦手だったりするのだが、こっちの事情はお構いなしに好奇心の塊のような子供は目をキラキラさせながらグイグイと接近してくる。

 準備が整い、時間を持て余していると一人の子供が計算機を片手に寄ってきた。普段はあまり触る事のないであろう計算機をおもちゃのように、なぞなぞ感覚であれこれと問題を出してきた。計算問題といってもかわいいもので、2~3桁の足し算と引き算が主で暗算でこなせるものだった。

 だんだんと計算自体は難しくなっていくのだが、所詮は2~3桁の問題なので暗算で何とかなる。計算機を使って遊ぶのと、それに対して正解する大人の姿に喜々としているようだった。

 「何でわかるの?」

の質問に対して自慢げに

 「まっ、大人やからな」

の一言で成立してしまう、謎の説得力。子供の感覚からすれば、大人はどうやら憧れの対象のようだった。


 

 12時になりキッサニアが始まった。 

 子供にお手伝いしてもらうのはホール担当。注文取ってくるのと配膳、お会計である。

12時前までにごはんを食べたい人達にカレーやハヤシライスのオーダーを取って来てもらい、盛り付けた物を配膳してもらう。

 カレーはごはんにかけてすぐ出せる状態にしておいて簡単なはずだったが、普通にランチのピーク時みたいに忙しくなった。ピーコックの上芝さんにディシャップに立って手伝ってもらう。伝票を順番に読み上げてもらい、順番にごはんを盛り付け、カレーやハヤシライスを盛り付ける。ごはんのグラムの感覚が身についていない最初のうちははかりに乗せながら出していった。何か似た感覚知っているなと思ったら学生時代にバイトしていた吉野家だ。400円から280円に値下げした時期で絶え間なく人が来て、記憶が定かはではないが、一時間の間に5~6回転していた気がする。


 伝票には注文した人の名前が書かれており、おぼんの準備が出来たら子供が元気に名前を読み上げてテーブルに運んでいく。漢字だったり字がまだよめない子は上芝さんがフォローしてくれた。


手作り伝票とえんちに券。
 会計の時にもレジ打ちをしてもらった。お客さんに伝票を持ってレジまで来てもらう。払いにこないお客さんなんていない。伝票の合計額はお客さんに合計額の記入までしてもらい、レジに来れば合計額を打ち込むだけでいい状態になっていた。
小学生前くらいの子供が多く計算は難しかったので、レジの打ち方を説明して、実際におつりを手渡し、「ありがとうございました」という所でまで手伝ってもらった。

 一時間の間、かなりバタバタしたが キッサニアの企画自体が、子供達が「できた!」という感覚を体験してもらう為に、大人達の多大なる補助線や伏線が引かれて初めて成立するものだった。 


終わってみれば、イベントは一日を通して手作りの優しい空間だった。
  いろいろと日常ではまず経験する事のない面白い体験だった。
 すっかり歳をとっていろんな事が当たり前になり、初めての事に対してのわくわくだったりドキドキのような感動する事が少なくなった。

  逆に初めての事に対してはワクワクよりも不安だったり恥ずかしいみたいな気持ちが先行しがちだ。きっと実は自分が子供の頃にも影で今日の大人のような人達に囲まれていたに違いなかった。願わくば計算機を手にした時の子供のような新鮮な気持ちを持ち続けたいもんである。

気になることはやってみる(アカンかったらその時考える)

思いついたりやってみた事をつらつらと書き綴ります。

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