大晦日に友達にカレーの試作品を食べてもらった。
中学校からの同級生の集まりで、普通、進学、就職、結婚などのライフイベントの度に疎遠になっていくものだが、何故か、昔から彼女が出来ようが、結婚しようが、子供ができようがみんな律儀に12月31日になるとわらわら集まって、それがかれこれ24年になる。
去年から友達が店を始めたので、友達の店に集まった。
今回はチキンカレーを作った。インドカレーの王道といってもいいもので、一昨年インドを旅行した時に教わったものだ。本当は南インドのカレー、ミールスを食べに南インドに行きたかったのだが、ちょうどその時期は酷暑期。
ひとまずは身体を慣らすつもりで北インドから入りバラナシという街にしばらく滞在していたのだが恐ろしく暑かった。朝の7時から気温は40℃を超え5分外を歩くと気を抜くと倒れそうになる。
夕方にならないと40℃下がらず動けなかった。赤道近くの南インドはもっと蒸し暑いらしく、せっかく旅行に来たのに日中身動き取れないのは勿体ない。夜は夜で知らない場所を出歩くのは気がひけたので、結局北インドを中心に周る事にした。
北インドではいろんな場所でカレーを食べた。勧められたレストランはおいしかったが、インドのカレーがどこもおいしいという訳ではない。塩加減を間違えて塩の味しかしないサグ(ほうれん草の)カレーやもさもさするだけのビリヤニなどは残すことがあった。宿やレストランなど仲良くなったところでは作り方を教えてもらえた。
中でも個人的に一番おいしかったのはレストランのカレーではなく、仲良くなったインド人に「うちの奥さんのカレーはうまいぞ」と言われるがままにお邪魔した家庭のカレーだった。
「作り方教えて」とお願いすると快く承諾してくれた。もちろんカレーを作る材料費はこっちが持つ。
始めに材料を一通り見せてくれ、ガラムマサラにするホールスパイスを息子がその場で軽く炒ってから挽いてくれた。流石に香りがめちゃくちゃよかった。
食べてみて驚きだったのが、アクを取るわけでも出汁を取るわけでもないのだが、野菜や鶏のうまみがスパイスによって引き出されている感じだった。ここまで書くと期待値が大きくなりすぎてしまうかもしれないが、インドの家庭の味の素朴なカレーである。
英語のできない奥さんに何とか作り方を尋ねるのだが、本当に目分量で作っている様子でメモを取ろうにも【小さじ一杯】といった風に書き残せない。きっと家庭ごとに味がちがうのは容易に想像ついた。
(あー、こりゃあ、にわかで真似しようと思っても無理やな)
塩加減一つで味が大きく変わるというのに、パウダースパイス一つとってもその割合が目分量。結局レシピ本に載っているような教科書的な配合は学べなさそうだった。
家に遊びにいってから息子が市場に行ってその場で捌いてきた鶏の鮮度や野菜の鮮度は真似しようもないし、ガラムマサラの香りも強いのだが、スパイスでここまで素材の持っている味を引き出すような真似は到底できそうもなく、あっさりとあきらめた。
帰国してから、チキンカレーをよく作った。
普段は欧風カレーを作っているのだが、仕込みにものすごく時間がかかる。ストックを作ろうと思ったら大量な量のカレーが出来てしまい、冷凍しても1週間くらいはカレーの生活を余技なくされる。対してインドのカレーは少量で作れるし、仕込みに時間もかからないので楽だった。
それ以前から作っていたが、一つ違うのはあのあの奥さんの味を何となくイメージできている。スパイスや材料の配合はあのおばちゃんとは明らかにちがったので、あまりこだわらなくなった。おばちゃんと同じものが作れるとも思っていなかったが、スパイスや塩の量を微調整していたら、去年の秋あたりから味が少し変わってきた。
先日「ナリワイを作る」という本を読んだ。
https://bectihy.amebaownd.com/posts/5491275
この『ナリワイをつくる』のメソッドに沿って副業を始めるには自分の生活に無理なく実験的に副業を進めるのに仕込みやロスを最小限に抑えるにもこのインドカレーが適しているように思えた。
だーいぶ昔に初めてチキンカレーを作った時、食べた後から来るクミンの香がするだけで
「おおっ!なんか本場っぽいぞ!」
と一人悦に入ってた。ある程度までは作っていくうちにうまくなるのだが、そこからスパイスを変えてみたり隠し味と称していろいろ入れてみたりするのだが、味のレベルが停滞する。インドカレーを食べなれていない人には同じに思えるかもしれないが、どうもそのレベルを少し越えてきた気がする。…ので味見てもらう事にした。
ナベなど食べて散々腹いっぱいになった後だったので、どんな感想が出てくるのかハラハラしたが、みんなの第一声目は予想を遥かに裏切るものだった。
「からっ!!」
味以前に辛くて食べれない様子だった。
自分ひとりでしか食べないので作っていくうちにどんどん自分の好みの味にカスタマイズされていく。元々昔から辛いものが好きだった。基本的に辛い方が、味のコントラストがはっきりするので自分の世界に没頭していくうちにどうやら普通の人には食べられない辛さになっているようだった。
あとは全体的にコクというか深みが物足りない様子だった。何度か自分のカレーを食べてもらっていたので、想像していたドロッとした欧風カレーと違い出てきたのはサラッとしたインドカレーだったので面食らったようだった。
食べてもらって一番よかったのは実際誰か他の人に食べてもらって感想を聞くという事だ。ここまで読んでくれている人もあまりいないと思うので、ご一報いただければお作りします。(九州とか関東とかは無理だけど)
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